DR-WX90
FAIRMATE DR-WX90
あなたはこの巨根・・・いや、巨体を見たことがありますか?
当館では「粗デカホーン(ソデカホーン)」と呼んでます。


※当館所蔵のWX90はスピーカーを代替品と換装しています。
 (入手当時、スピーカー・ユニットがボロボロだったため手元にあったテキトーなユニットに換装してあります。)
 オリジナルの本来の姿とは若干異なりますことを予めご承知おき願います。

<参考画像>

●入手当時の本来の姿。(実際、日焼けでせっかくのプアユニットもボロボロでした)
●清掃作業中に触ったら、ボロッとコーンがコーンフレーク状に割れてしまいました。



1980年代後半〜90年代前半期において家電量販店のチラシ上、ほぼ毎週目玉商品として君臨していた国内メーカー、
「朝日コーポレーション/フェアメイト」の事実上最上級機種である。こちらはカトーデンキ(現・ケーズデンキ)が売ってた。

◆外観について:
国内外メーカーの家電製品を受託で開発・製造していた下請け的メーカーの製品のため、作り込みは丁寧。
販売当時でさえ、ちょっとアンバランスなデザインだと感じられたのは否めないが、角張った従来のデザインから丸みのある
現在のデザインへの転換が始まったような時期のモデルのため、この点は仕方ないと思われる。
このモデルを初めて目の当たりにした時、「なんなんだ、このバカデカさは!?」と驚いたものである。
最上級機種とは言っても、日頃お世話になっている取引先の大手メーカー品への競合を避けるためか、変な所を手抜きして
おり、本気で作り込んだら語り継がれるモデルの一つになっていてもおかしくないだろう。

◆音質について:
残念ながら所蔵機はスピーカー・ユニットを換装しているため、オリジナルの状態ではないため余り参考にならないが、
音質は現在流通されているデフレ機種ほど乱暴な音ではない。
本機には3バンド(100Hz/1KHz/10KHz)のグラフィック・イコライザーの他、「BBS」が装備されている。
この「BBS」はイコライザーで本体の全スピーカーの音の低域を増幅する従来型の低域増幅方式ではなく、本体内部に
ビルトインされたサブ・ウーハーを駆動させる方式である。(BBS:Bass Boost Systemの略?)
サブ・ウーハーからの低域はスピーカーの下にあるダクトから放出される音と本体背面から放出される音の2種類だ。
スピーカー・システムの構成として挙げるのであれば「2.1チャンネル」が相応しい言葉であろう。

前述で音質についてを書いてしまったが、もちろんこのサブ・ウーハーは入れない時での感想である。
このサブ・ウーハーはBBSのフェーダーで出力レベルを調整できるが、なんと前述のグラフィック・イコライザーを経由
してきた音をさらにブーストするタイプであった。このような経路で来ている音なら強烈な低音が出てもおかしくないとは
思うが、残念なことにサブ・ウーハー・ユニットがプア過ぎるのか、それともどこかが壊れているのかは定かではないが、
BBSフェーダーを20%ぐらい上げた状態の時点でボゴボゴ言って音割れが発生してしまっている。
完全なフルオリジナルの状態であれば、かなり強烈なサウンドが楽しめるのでは?と思う。

◆使い勝手について:
一般的な大手メーカー品と比べてしまえば若干劣る点は否めないが、学生時代に愛用していたアイワのシュトラッサー、
CSD-SR8を使っていた時に感じていた「便利なようで不便な感じ」と感覚が似ている。
OEM請負が主体のメーカーであるので流用できそうな物は全部流用してみた・・・といった、意欲作に感じられる。



◆細部について1:<上面ブロック>

●CDドアとトップパネルの様子。
  フェアメイト製品としてはこの整然とならんだボタン数は最多ではないだろうか。
  横方向のライン上にそれぞれのポジションごとにボタンが配置され、至ってシンプルというか、クールな印象を受ける。


●CDドア部の接写。
  至ってフツーなデザインだ。この時期のモデルではお約束の「DIGITALロゴ」もやや小ぶりな感じだ。
  「DIGITALロゴ」の左側の小さい文字は「20曲プログラム・ランダム・メモリー・システム」って書いてある。
  ランダム再生機能は付いてないので使用者が手動でランダムにプログラムする必要が・・・。


●3バンド・グラフィック・イコライザーとBBSのフェーダーの様子。
  上から順に10KHz、1KHz、100Hz、BBS。
  BBSのフェーダーは本体内蔵のサブ・ウーハー専用の出力調整だ。


●CD操作/チューナー操作/ファンクション切替のパネル類の様子。
  CD/チューナーの操作用の10キーその他が装備されている。
  左画像の手前側がファンクション切替で、手前から順に電源、CD、カセット、チューナー(バンド)、外部入力。
  ファンクション切替上のLEDは使用中のポジションを表示するインジケーターで赤色に点灯する。

  右画像はCD/チューナーそれぞれのオプションキーとタイマー関連のキーだ。
  チューナーはこの手のモデルでは珍しく、電子チューニングタイプであるが、予め付属している専用リモコンで
  プリセット作業を済ませておく必要があるようだ。残念ながら専用リモコンがない状態であり、チューナーは
  当館では全く使えない状態である。このチューナー、何気にTV音声受信は音声多重放送対応らしい。



◆細部について2:<前面ブロック>


●液晶パネル周りの様子。
  カセットデッキと外部入力を除いたポジションを使用している時に表示される液晶パネルだ。
  CDポジション時は一番下に20曲分までのミュージックカレンダーが表示される。
  チューナーポジション時は当然受信中の周波数が表示され、FMステレオまたはTVのステレオ/音多放送
  受信時には右画像の上部のインジケーターが点灯する・・・らしい。


●液晶パネル横にある、リモコン受光部とボリュームの様子。
  リモコンがないので受光部はどうでも良いが、このボリュームにはちょっとしたギミックが隠されているのだ!!
  ギミックと言っても、それ程大した物ではないがこれを見たら「これぞ、バブルやぁぁ!!」と叫びたくなる機能だ。
  ギミックについてはこのページの一番最後にご紹介するので、チャンネルはそのままで。(謎)



●カセットデッキ関係の操作パネルの様子。
  フェアメイト製品ながらもちゃんとバブルしてますね。
  勘の鋭い方なら「おや?」とお気づきの所があろうかと思います。

まずは左画像から。
  リバースモード下のスイッチ・・・。「DOLBY NR」・・・。そうです!このWX90にはドルビーNR(Bタイプ)が搭載されているのです!!
  これだけでも驚きですがさらに隣りのダビング関連のスイッチ・・・。カセットは良いとしてCDからのダビングにも「高速ダビングがっ!!」
  大手メーカー製なら定番の装備ですが、フェアメイト機にも装備されているとは・・・。フェアメイト、恐るべし!!

真ん中の画像。
  カセットデッキの選択・切替ボタンです。使用したいデッキを選ぶためのボタンで、選択している方が点灯します。
  ただ、それだけです。

右の画像。
  大手メーカー製のバブカセでも良く見るカセットデッキのボタンですね。
  WX90は生意気にもフルロジックのダブルリバースデッキなのでこういうボタンですが、シュトラッサーのフルロジック搭載機と
  同様にデッキのボタンが共通化されています。しかも、シュトラッサーでは一方のデッキが早送りしている時にもう一方のデッキを
  再生させようとすると早送りしていたデッキが停止してしまいますが、こいつはそのまま早送りを継続してくれます。
  ボタンが共通化しても、機能自体は独立しているということです。
  ちなみに再生中に巻戻しまたは早送りを押すと前後1曲分ですが頭出しができます。(APDSって言う機能らしい)


●カセットデッキのドア部の様子。
  1番デッキのドアには「44キーフルリモートコントロール」とか書かれてますが・・・リモコンないし。意味ねー。
  その下には「3D スーパー・ウーハー・リアル・サウンド・システム」って書いてありますが、別にサラウンド付きってワケではなく、
  今で言う2.1チャンネルのことですね。この頃のフルレンジ+サブ・ウーハー構成のバブカセは「3−Dimension Sound」とか
  書いてありましたから、その言い回しをそのまま使ってるだけかと。
  2番デッキのドアには「当然のように」ドルビー・システムのロゴが記載されています。
  ドアのデザインはパイオニアのデッキ風味ですね。

 
 
●カセットデッキ内部の様子。左側が1番デッキ(再生専用)、右側が2番デッキ(録音・再生)です。
  フェアメイト機でフルロジックメカですよ、奥さん!!2番デッキに至っては、リバース録音もできますよ、ダンナ!!
  さらに驚くなかれ!カセットを押さえる所には何やら怪しげなリーフスイッチが・・・。
  ハイポジ/メタルテープの録音識別まで何気に対応してますぜ、ブラザー!!
  ホント、フェアメイト、やり過ぎ。


●スピーカー周りの様子。
  当館所蔵のWX90は本来装備されていた「プア」ユニットが瀕死の状態だったので、手元にあったテキトーな
  スポーカを無理やりボルトオン装着してます。(使い古したケンウッドのクルマ用。)
  パールホワイトが美しいZYLON(ザイロン)繊維のコーン、金色に輝く砲弾型フェイズプラグ(ただし樹脂製)の
  コラボレーション(謎)によって、ただでさえ怪しいラジカセがさらに怪しい雰囲気を醸し出しています。
  ユニット横のホーンみたいのはダミーです。(一応穴開いてるけど)
  スピーカー下にはインチキ「インシュレーターもどき」と彫りの深いバスダクトが付いており、ここから内部に搭載された、
  ビルトインなサデ・ウー・・・いや、サブ・ウーハーからの重低音が出てくるらしいです。


●参考程度に内部のサブ・ウーハー。
  別ページのクラウン・CD-600のようにエンクロージャーが付いてます。
  ウーハー正面の音は本体背面から出てきてしまうのでケルトン方式ではなく、ただのバスレフのようです。
  容積もそこそこありますが、ポートは右側のみですので正面左側のバスダクトはただの穴です。
  ダミーでもちゃんと穴が開いてると全体的な見栄えも変わりますので、最近のデフレ機も見習って欲しいものです。



◆細部について3:<背面/その他ブロック>


●本体右側面にある端子類の様子。
  上からCD音声出力端子(アナログ、RCAピン)、外部入力端子(同上)、ヘッドホン端子(ステレオミニ)、ビートキャンセラー。


●本体背面の様子とサブ・ウーハー「プア」ユニット。
  とにかく、必要以上にでかい。
  サブ・ウーハーは試しにテキトーな同等品と交換してみましたが、相変わらずゴン太くんみたいに「ウゴウゴ」言ってるだけで、
  重低音どころではありませんでした。アンプ基盤に問題があるのかもしれませんね。
  「直してみたい!」(実際は中身が見たいだけ)と言う奇特な方はお問い合わせください。
  壊さない範囲であれば、貴方好みに改造されてもOKです。


●コーション・プレートの様子。
  このサイズと内容の割にはクラウンと大差なし。
  右側にはドルビーNRシステムに関するライセンス云々・・・の表記。
  バブカセ屋敷様、こいつもマーライオンの国からやってきたみたいですよ!!



◆DR-WX90はどのくらいデカいのさ?:<おまけ>
実際に比べてみた。

ヘヴィースモーカー・CAZがここ数年吸ってる煙草「ベヴェル・フレアー」の箱と比較。
はい、そこっ!「おねーちゃんタバコ」って言わない!!(笑)
最近はこれしか吸えません。1mgクラスでメンソール付きで1本でも「吸った」という実感があるのはこれだけ。
最初は7mgクラスから徐々に落として行ったんだけど、軽くなったのも束の間、軽い分、吸う本数が増えました。
最近は1日に3箱目に突入することもしばしば。
当初270エソだったのが役人の意味不明な増税によって300エソジャストに。
自販機で買うとなると今までも300エソ投入することもあってか、増税によってお釣りを取る必要がなくなり、
逆に買いやすくなっちゃった・・・という逸話あり。今頃、肺の中はドロドロですな・・・。
辞めるにも意思が弱いので辞められず(ダメ人間)、二コレット試してみるものの、「二コレット、強すぎ!!」な
状態で結局辞められず・・・。

話がずいぶん逸れましたね。
素人採寸ですが大雑把に計測したら、横寸法750mm、高さ250mm、奥行き240mmでした。
体重は電池なしの状態で約8kg。電池入れたら10kg超えますな。



◆ボリュームつまみのギミック「これぞ、バブルやぁぁ!!」:<おまけ>

映像でご覧ください。ぜひ!!
WX90POWER.wmv
(ファイルサイズ:830KB/形式:WMV)
※ケータイで撮影した物を変換、編集してありんす。映りが悪いのはご容赦くだせぇ。
※えっちな音は出ませんので期待しないでください。(音声はありません)
※肝心な部分は無修正です。(当然だ)



■主な特長:
<総合>
2.1チャンネル方式(12cmフルレンジ×2、10cmサブウーハー×1)
推定最大出力:10-30w前後
使用ユニット記載の数値:フルレンジ・・・8w/3.2Ω、サブウーハー・・・25w/8Ω
使用ユニットの種類:凹型布エッジ、紙コーン
重低音回路BBS(サブ・ウーハーのみ有効)
3バンド・グラフィック・イコライザー(100Hz、1KHz、10KHz)
モータードライブ式音量つまみ(赤LED、ギミック内蔵)
液晶マルチディスプレイ(時計表示/タイマー付き)
外部入力付き

<CD部>
トップローディングタイプ
20曲プログラム再生
リピート再生(1曲/全曲)
早送り機能搭載
CD音声のみ外部出力端子
10キー・ダイレクトアクセス

<カセット・デッキ部>
フルロジック駆動オートリバース(両デッキ)
自動選曲(頭出し)機能(APDS)
ハイポジション/メタルテープ対応(自動判別/録再)
ドルビーNR(Bタイプ、録再)
定速/高速ダビング機能(CD-カセット/カセット-カセット)


<チューナー部>
PLL方式電子チューニング
ユーザープリセット
AM/FM・TV1-3/TV4-12受信
FMステレオ/TVステレオ・音声多重放送対応



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